あるところにおじいさんが住んでいました。
ある日、おじいさんは洗濯をしようと思い立ち
田んぼのあぜ道をのらりくらりと、川へ向かいました。
「今日もいい天気じゃのお」
川へ着いたおじいさんは、とりあえずしょんべんです。
「じょじょっこだ〜の ふなっこだ〜の じょんじょろり〜」
しょんべんが止まるまで、この歌は続きます。
しょんべんも流れ去り、洗濯も終えたおじいさんは
家路の途中、毎日見慣れている自分の田んぼで立ち止まり、
一時ぼーっと、今年もよく実った米を眺めていました。
収穫にはもうしばらくで、今日は何もすることはありません。
そこでおじいさんは、ふと思いつきました。
「そうじゃ。今日はまだ日が高い。
ひとつミステリーサークルでも作ってみなを驚かそう」
そう思うや否や、おじいさんは洗濯物を傍らに置き
せっせとミステリーサークルを作り始めました。
辺りには誰もいません。
サークル作りは始めは不慣れで時間がかかりましたが、
おじいさんも次第に慣れていきました。
しかしサークルが半円程になった頃から
ひとりふたりと見物人が立ち止まるようになり、
4分の3ぐらい出来上がったときには
あたりは見物人でいっぱいになってました。
そこでおじいさんはサークル作りをやめ、
田んぼの脇に体操座りしました。
不思議そうに眺めてた見物人のひとり、
隣の家の茂吉さんがおじいさんに話し掛けてきました。
茂吉:「じいさん、なにしちょるん?」
おじい:「いや、ミステリーサークル作ろうと思うたんじゃ」
茂吉:「なんで?」
おじい:「みなを驚かそう思うたんじゃ」
茂吉:「なんでみなが驚くんじゃ?」
おじい:「田んぼにサークルがあったら驚く思うたんじゃ」
茂吉:「おお、たまげたよ。けどせっかく作った米じゃのに」
おじい:「大丈夫じゃ。わしひとり食うぐらい充分にある」
茂吉:「けど、あれじゃサークルじゃなくてパックマンじゃて」
おじい:「ほんにのう。はっはっはっ」
茂吉:「はっはっは。じいさん、泥だらけじゃあよ」
おじい:「よかよか。着替えはあそけある」
茂吉:「そうか。どうじゃじいさん。帰って一杯」
おじい:「いや、今日は疲れたから寝ろ」
茂吉:「やっはっは。ほんじゃ、ま、帰ろか」
おじい:「ほじゃの」
あたりはもうだいぶ日も暮れてきていました。
おじいさんはまたしょんべんをしたくなりましたが、
なんとなく帰り着くまでがまんしようと思いました。
ふたりはいつものように仲良く家路につきました。
おしまい。
どうでしょう?
オチもメッセージも不思議もない話に挑戦してみました。
ちゃんちゃん。
January 16, 2003 01:11 AM